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脊髄臨床神経学ノート―脊髄から脳へ

脊髄臨床神経学ノート―脊髄から脳へ

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商品詳細

脊髄脊椎疾患への神経内科的アプローチの奥義をここに


 超高齢社会での脊髄脊椎疾患の診療の重要性は増しているが、この領域を専門とする神経内科医は少ない。外来での診察も脊椎脊髄外科医が担当していることが多い。
 本書は、脊髄脊椎領域を専門の一つとし、CARASILの提唱者でもある神経内科専門医・指導医の著者が、書籍、雑誌に発表してきた論文に最新情報を加筆し、また、書き下ろしの論文を加えたものである(『脊椎脊髄ジャーナル』で好評を得た2つの連載を含む)。神経内科医による本邦初の脊髄脊椎疾患の神経学書でもある。
 神経症候の捉え方については、具体的な症例を多く紹介しながら解説しているため、特に脊髄脊椎と脳の関連について臨床的に有用なポイントとピットフォールについて学べる、類をみない書籍となっている。脊髄脊椎疾患とその他の疾患の鑑別が問題となるような臨床場面に遭遇した後で、本書の関連項目に眼を通せば、何か役立つヒントが得られるであろう。
 脊髄は運動系、感覚系、自律神経系の通り道であり、大脳の運動野、感覚野、さらに視床下部や辺縁系とも結びついていて、高次脳機能や精神機能、脳神経機能以外の主要神経機能を担っている。神経の医療に携わる者は専門のいかんにかかわらず、脳-脊髄-末梢神経-筋/皮膚という軸に常に関心を持つべきであり、本書が多少でもそのための貢献ができれば幸いである。
 外来診療、ベッドサイドですぐに役立つ実践書として、特に神経内科医、脊椎脊髄外科医(整形外科医、脳神経外科医)には必携書である。また、主訴として多い痛みやしびれをきたす疾患の診療に携わる内科医、研修医にも是非ともお薦めしたい一冊である。

目次

第1部 脊髄脊椎疾患
 第1章 脊髄脊椎の症候学
  1 MRI時代の脊髄脊椎神経学
  2 上位頸髄(頸椎)病変による手の症候―偽性局在徴候/早期症候としての意義
  3 下垂手と下垂指
  4 下垂足―中枢性の原因に力点をおいて
  5 Oblique atrophy/amyotrophy(斜め型筋萎縮)
  6 ななめ徴候
  7 胸腹部のデルマトーム
  8 母指探し試験・母趾探し試験―古くて新しい鋭敏な深部感覚検査法
  9 異常感覚またはしびれの鑑別―症例
  10 脊髄由来の難治性疼痛
  11 異常感覚性大腿神経痛(meralgia paresthetica)
  12 腱反射
  13 皮膚自律神経症状
  14 高齢者の歩行障害と頸椎症性脊髄症

 第2章 脊髄脊椎疾患と内科
  1 脊髄脊椎疾患と頭痛
  2 神経内科疾患と腰痛
  3 Parkinson病の姿勢異常―骨粗鬆症性骨折後の異常姿勢を理解するために

 第3章 脊髄脊椎疾患
  1 脊髄血管障害
   1. 脊髄血管障害
   2. 頸髄梗塞―一側椎骨動脈の高度狭窄・閉塞で脊髄梗塞が起きる
   3. 脊髄のTIA―反復性一過性の両手指脱力を呈した1手術例
   4. von Willebrand病による髄内出血
   5. Cobb症候群とKlippel-Trenaunay-Weber症候群
  2 脊髄炎・脊髄脱髄疾患
   1. 脊髄炎
   2. 水痘-帯状疱疹ウイルス脊髄炎
   3. 寄生虫感染症
   4. 脊髄の脱髄性・炎症性疾患の画像診断
   5. 多発性硬化症
   6. 脊髄型多発性硬化症の感覚障害
   7. アクアポリン4抗体―主役か脇役か?
  3 脊髄代謝性疾患
   1. 脊髄代謝性疾患概説
   2. 脊椎疾患とビタミンB12欠乏症
   3. 副腎脊髄ニューロパチーにおけるMRIでの線条体病変
  4 脊髄腫瘍性疾患
   1. 脳・脊髄の髄内・髄外多発性病変例
   2. 脊髄腔内腫瘍による正常圧水頭症
   3. 傍腫瘍性壊死性脊髄症
  5 脊椎疾患・構造的疾患
   1. 頸椎症
   2. 知っておきたい頸椎症の特殊な症候
   3. 腰痛/脊椎変性・早発性禿頭・脳小血管病―CARASILとHTRA1遺伝子
   4. 脊髄ヘルニア
   5. 平山病とその類縁疾患
   6. 血液透析患者における頸椎破壊性脊椎関節症(destructive spondyloarthropathy)
   7. 透析と上位頸椎病変
   8. 軸椎の肺炎球菌性脊椎炎
   9. 結核性脊椎炎
   10. 繰り返す胸部帯状痛を呈するシンクロスイマーにおける可逆的脊髄空洞症
  6 脊髄脊椎疾患の治療
   1. ウイルス性脊髄炎,感染後脊髄炎・ワクチン接種後脊髄炎,HAM
   2. 化膿性脊髄疾患(脊髄膿瘍,脊髄硬膜外膿瘍,脊椎炎)
   3. 頸椎症に対する保存療法―特に夜間カラー療法について
  7 脊髄脊椎疾患の検査
   1. 脳脊髄液
   2. 頸髄MRIの中のまぼろし?―Waller変性
   3. 病変はまず境界を確かめよう―急がば回れ

第2部 脊髄脊椎疾患と脳疾患および他の神経疾患との鑑別―提示症例を通して
 Case study 1 脳梗塞による単独一側肩麻痺(isolated shoulder paresis)
 Case study 2 脳梗塞による偽性尺骨神経症候群(pseudo-ulnar syndrome)―頸椎椎間板ヘルニア合併例での検討
 Case study 3 脊髄脊椎疾患と紛らわしい脳梗塞による上肢運動障害―観念運動失行と視覚性運動失調
 Case study 4 脊髄性ミオクローヌス?
 Case study 5 甲状腺疾患と脊髄脊椎疾患
 Case study 6 頸部以下のしびれで2度も脊髄脊椎疾患との鑑別が問題になった症例
 Case study 7 HNPPをご存じ?
 Case study 8 紅く腫れて痛い手足―脊椎由来なのか末梢神経由来なのかあるいは全身疾患か?
 Case study 9 Restless legs症候群と脊椎疾患
 Case study 10 局所の痛みをみたら帯状疱疹を疑え
 Case study 11 全身けいれん後の四肢麻痺―Todd麻痺と誤ってはならない
 Case study 12 脊髄損傷患者の全身けいれん

商品詳細

著者 福武敏夫
出版社 三輪書店
発刊年 2014年06月
ISBN 978-4-89590-482-7
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