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造血器腫瘍取扱い規約

造血器腫瘍取扱い規約

販売価格: 6,160円(税込)

商品詳細

悪性腫瘍による死亡は、わが国の死因統計の第一位を占め、約30%である。高齢化社会を迎え、悪性腫瘍は増加の一途を辿っており、その解決は喫緊の課題となっている。
近年、悪性腫瘍の診断、新規治療法の開発に向けて多くの努力がなされているが、なかでも白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍に関する診断・治療法の進歩は眼を見張るものがある。免疫組織化学、細胞遺伝学、分子生物学を取り入れた新たな疾患分類、PETを始めとする画像診断法に基づく診断、治療効果判定などに大きな進歩がみられている。
わが国では、すでに胃癌、乳癌、食道癌、大腸癌、肺癌、膀胱癌などについて、学会で編集された「取扱い規約」が癌診療の向上、標準化に有効に機能している。造血器腫瘍についても、他の固型癌と同様に「取扱い規約」を作成して診療の質を高め、臨床研究を推進する必要があるとの考えのもと、2006年5月より日本臨床血液学会、日本血液学会、日本リンパ網内系学会が共同でその作業を開始することとなった。当初の発行予定は2007年10月であり順調に原稿が集められたが、原稿枚数が大幅に超過していたことから簡略化を含めた改訂が必要とされた。また2008年9月には造血器腫瘍のWHO分類(第4版)が出版されたこともあって、それを反映させる必要が生じ、この時点で大幅な修正が行われた。
このような経緯を経て最終案がまとめられる間に、日本臨床血液学会と日本血液学会が統合されて新しい日本血液学会が誕生するという画期的な出来事があり、わが国の血液学の新しい一ページが開かれることとなった。
造血器腫瘍取扱い規約の完成までにこのように長い年月を要したが、その間、粘り強く執筆、修正、編集などに献身的に努力して下さった方々に対し、心から感謝を申し上げる次第です。本規約が今後の造血器腫瘍の診療、研究に大いに役立つことを確信しています。

【目次】

第1部 白血病
 1.疾患概念と診断総論
  1.1 疾患概念
  1.2 分類の概略
  1.3 必須検査
 2.病型分類
  2.1 急性白血病のFAB分類
  2.2 白血病のWHO分類
 3.診断・検査
  3.1 白血病の細胞表面抗原
  3.2 染色体
  3.3 遺伝子
 4.急性骨髄性白血病
  4.1 診断規準
  4.2 病期判定
  4.3 予後因子と予後
  4.4 効果判定規準
 5.急性リンパ性白血病
  5.1 概念
  5.2 診断規準
  5.3 病期判定と検査
  5.4 予後因子
  5.5 効果判定規準
 6.慢性骨髄増殖性疾患
  6.1 慢性骨髄増殖性疾患(CMPDs)
  6.2 慢性骨髄性白血病(CML)
  6.3 慢性好中球性白血病(CNL)
  6.4 慢性好酸球性白血病(CEL)および好酸球増加症候群(HES)
  6.5 真性(正)赤血球増加症(PV)
  6.6 慢性特発性骨髄線維症(CIMF)
  6.7 本態性血小板血症(ET)
  6.8 分類不能な慢性骨髄増殖性疾患(CMPD, U)
 7.慢性リンパ性白血病
  7.1 慢性リンパ性白血病(CLL)
  7.2 B細胞前リンパ球性白血病(B-PLL)
  7.3 有毛細胞白血病(HCL)
  付記1)T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)
    2)T細胞大顆粒リンパ球性白血病(T-LGL)
 8.小児の白血病
  8.1 診断規準
  8.2 免疫学的診断規準
  8.3 中枢神経系(CNS)浸潤の診断規準
  8.4 予後因子
  8.5 リスク分類
  8.6 効果判定規準
  文献

第2部 骨髄異形成症候群
 1.疾患概念
  1.1 疾患概念
  1.2 臨床像
  1.3 検査所見
 2.診断・検査
  2.1 診断基準
  2.2 重症度分類
 3.病型分類
  3.1 FAB分類
  3.2 WHO分類
 4.小児の骨髄異形成症候群
  4.1 診断にあたっての注意
  4.2 病型分類
  4.3 核型異常
  4.4 JMMLの診断
  4.5 先天性の異常を有するMDSの診断
 5.予後予測因子
  5.1 国際予後判定システム(IPSS)
  5.2 WHO分類に基づいた予後判定システム(WPSS)
  5.3 わが国における低リスク・中間リスク・高リスク分類
 6.治療効果判定規準
  6.1 International Working Group(IWG)による骨髄異形成症候群治療の効果判定規準-2006年度改訂版
  6.2 治療評価項目
  6.3 完全寛解/部分寛解(CR/PR)の判定規準
  6.4 病勢の安定、治療不成功、CRまたはPR後の再発
  6.5 細胞遺伝学的効果
  6.6 血液学的改善効果(HI)
 文献

第3部 悪性リンパ腫
 1.疾患概念・検査
  1.1 疾患概念
  1.2 治療前の身体所見
  1.3 治療前検査
  1.4 リンパ節(腫瘍)生検
 2.病理形態
  2.1 前駆B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫および前駆T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
  2.2 成熟B細胞腫瘍
  2.3 成熟T細胞およびNK細胞腫瘍
  2.4 ホジキンリンパ腫
  2.5 免疫不全関連リンパ増殖異常症
  2.6 組織球および樹状細胞腫瘍
  2.7 肥満細胞症
  2.8 その他
 3.臨床分類
  3.1 非ホジキンリンパ腫の臨床分類
  3.2 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の病型分類とその臨床応用
  3.3 ホジキンリンパ腫の臨床分類
 4.病期分類
  4.1 病期分類とは
  4.2 臨床病期
  4.3 病理病期
  4.4 臨床病期の決定のための手順
  4.5 リンパ節領域の定義
  4.6 節外病変の定義
  4.7 解剖学的病期決定規準
  4.8 臨床病期決定時に付記しなければならない事項
 5.表面抗原・染色体・遺伝子
  5.1 表面抗原解析による非ホジキンリンパ腫の診断
  5.2 B細胞リンパ腫の表面抗原とゲノム異常
  5.3 T細胞リンパ腫の表面抗原とゲノム異常
  5.4 ホジキンリンパ腫の表面抗原とゲノム異常
 6.予後因子/治療予後予測モデル
  6.1 非ホジキンリンパ腫(NHL)の予後因子-国際予後指標(IPI)
  6.2 濾胞性リンパ腫(FL)の予後因子-濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)
  6.3 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の予後因子
  6.4 ホジキンリンパ腫(HL)の予後因子-国際予後スコア(IPS)
  補足
 7.効果判定規準
  7.1 効果判定
 8.小児のリンパ腫
  8.1 疾患概念
  8.2 病理組織分類(WHO分類)
  8.3 同一治療の対象となる病型群
  8.4 病期分類
  8.5 表面抗原・染色体・遺伝子
  8.6 予後因子・予後予測モデル
  8.7 効果判定規準
  文献

第4部 多発性骨髄腫
 1.疾患概念・診断規準
  1.1 疾患概念
  1.2 診断規準
 2.治療前検査
  2.1 診断に必要な検査
  2.2 臓器障害の診断に用いる検査
  2.3 その他の検査
 3.臨床病期の判定と予後
  3.1 意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)の予後と予後因子
  3.2 無症候性骨髄腫の予後と予後因子
  3.3 国際病期分類(ISS)と予後
 4.染色体異常などの生物学的予後因子
  4.1 多発性骨髄腫の染色体異常と予後
  4.2 遺伝子異常
 5.治療効果判定規準
  5.1 Blade(EBMT,IBMTR/ABMTR)規準
  5.2 国際骨髄腫作業部会統一効果判定規準(IMWG)の効果判定規準
  文献

補遺WHO分類第4版改訂を受けて
 1.骨髄系
  1.1 骨髄増殖性腫瘍
  1.2 好酸球増多およびPDGFRA、PDGFRBまたはFGFR1異常を伴う骨髄系とリンパ系腫瘍
  1.3 骨髄異形成/増殖性腫瘍(MDS/MPN)
  1.4 骨髄異形成症候群(MDS)
  1.5 急性骨髄性白血病(AML)
 2.リンパ系
  2.1 成熟B細胞腫瘍追加項目
  2.2 成熟T細胞腫瘍追加項目
  文献

カラーアトラス
 1.白血病
 2.骨髄異形成症候群(MDS)
 3.悪性リンパ腫
 4.多発性骨髄腫

商品詳細

著者 日本血液学会 / 日本リンパ網内系学会
出版社 金原出版
発刊年 2010年03月
ISBN 978-4-307-10139-4
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