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商品詳細

眼瞼下垂診療アップデート[9784434143120]

販売価格: 16,200円 (税込)
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「眼瞼下垂診療に関する本格的解説書!グローバルな視点から、眼瞼下垂診療の基礎から応用までを詳しく解説!」

監修のことば

眼瞼下垂は、まぶたが下がってきて見にくくなる病気です。視野が狭くなるという視覚的な障害のほか、いつも眠たそうに見えるという外観的な問題も伴います。実際にはそれ以上でもそれ以下でもないのですが、「眼瞼下垂」に併発する頭痛や肩こりが自律神経系の乱れによって生じるという説が広まってしまたため、 通常では手術適応とはならないようなごく軽度の眼瞼下垂まで手術されるようになってしまいました。従って現状では、「眼瞼下垂」という疾患が本質とは離れたところで議論されることが多くなっています。

「眼瞼下垂」手術に関する用語も混乱を極めています。各施設でさまざまな用語が使用され、それがあたかも異なった術式のような印象を受けますが、行っていることはほぼ同じで、挙筋腱膜やミュラー筋などの上眼瞼を挙げる構造の短縮です。何々式がいい、などと一概に言えるものではありません。眼表面にやさしい 手術を行い、確実に上眼瞼を挙上させ、生理的なカーブを作ること、なおかつ、このような状態が長期間続くような手術を行うことが眼瞼下垂手術の理想です。手術侵襲が小さければより理想的です。 患者向けの情報発信源として、「眼瞼下垂」に関する様々なホームページや掲示板も公開されています。しかし、それらは枝葉末節な議論で終始しているものがほとんどです。「眼瞼下垂」についてマスコミで紹介されることがありますが、これもほとんどが「眼瞼下垂」というものの本質を捉えていない偏った報道で、 徒に患者を不安に陥れています。結局、患者は「眼瞼下垂」という疾患の本質を捉えることができず、何がなんだかわからない状況に陥っています。特に、先天眼瞼下垂に関する情報にその傾向が大きいようです。

平成21年6月23日発売号の週刊朝日で、私は「名医のセカンドオピニオン」というコーナーのコメンテーターとして「眼瞼下垂」について発言しました。その特集では「自律神経系説」の紹介がメインとなっており、私の主張はそのアンチテーゼとして位置づけられていました。しかし、「自律神経系説」が信じられているのは日本だけ であり、むしろ私の主張の方が解剖学的知識や医学的エビデンスに基づいた、世界中で広く認識されている話をしており、本来ならばファーストオピニオンにならなくてはならない性質のものでした。 眼瞼下垂手術によって、肩こりや頭痛が改善するのは真実です。しかし、その原因が「自律神経系のアンバランスに依存している」という説は安易に過ぎます。ミュラー筋という自律神経に反応する筋肉(平滑筋)は上眼瞼だけに独立して存在している構造ではなく、眼球周囲に存在するたくさんの平滑筋線維とも密な連 絡線維をもっています。従ってそれらの関与も考慮されなくては「自律神経系説」を支持できないわけです。
以上のような現状を踏まえて、現在の「眼瞼下垂」に関する情報を整理、統合し、「眼瞼下垂」という疾患の実態を知ってもらおうと、本書の執筆を意図しました。私は、現在、アジア太平洋眼形成再建外科学会副会長、アメリカ眼形成再建外科学会誌(Ophthalmic Plastic and Reconstructive Surgery)編集委員、ヨーロッパ眼形成再建外科学会・アジア太平洋眼形成再建外科学会誌(Orbit)編集委員を歴任しており、世界における「眼の形成外科」を広く知ることができる立場にあります。従って、本邦だけではなく、諸外国での「眼瞼下垂手術」の現状も認識おり、本邦における「眼瞼下垂診療」の全体像を国際的な比較の上に論じることができます。本邦だけで局地的に行われていて、世界では全く認知 されていない眼瞼下垂手術、また、世界的に見れば捨て去られてしまったタッキングという術式がなぜ本邦において斯くも人気を博しているのか。その矛盾にできる限り言及し、国際的に認められ、確固としたエビデンスに基づいた眼瞼下垂手術があまねく知れ渡り、広く行われるようになることを願ってやみません。

商品詳細
著者:愛知医科大学眼科学 柿崎裕彦
出版社:星雲社
発刊年:2010年3月

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